The Japanese Dubai-JDニュース

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

ドバイ最高裁への上訴ステップ

今回は、ドバイ最高裁への上訴手続ステップ概説。ドバイ最高裁の結審までの期間は、日本に比べかなり短い。2009年に審理された最高裁ケースは1016件で、そのうち97%が1年以内に判決がくだっている。

上訴とは、裁判(判決・決定・命令)に不服のある当事者が上級裁判所へ申立てること。日本では第2審(控訴審)への上訴を「控訴」、最高裁への上訴を「上告」と区別するが、UAEでは(英米豪同様)上級裁判所に判決審査を申請する手続はすべてAppeal(上訴)という言葉で表現する。

ドバイの司法制度はアブダビにある連邦最高裁判所を頂点とする連邦システムから離れ、独自の三審制度を採用している。

憲法

UAE憲法はその第104条と105条で、司法制度の制定は各首長国の裁量権限であることを定めている。ドバイとRAKの二つの首長国だけは独立した司法制度・管轄権を設ける選択をし、残る首長国は連邦司法制度に従属。 本ブログ第9回も参照願います。

RAK首長国には最高裁が存在しないため、裁判は第一審と控訴審のみ。

ドバイは控訴院(Dubai Court of Appeals)の上にドバイ最高裁(Dubai Supreme Court)が存在するため、ドバイ控訴審の判決に不服の場合、一定の条件のもと、ドバイ最高裁へ上訴ができる。ドバイ最高裁が審理できるのは、法律の解釈のみ。

上で述べたように、ドバイは連邦司法制度に従属していないため、ドバイ控訴審の判決をアブダビの連邦最高裁へ上訴することは不可能。

なお、最高裁は別名Dubai Court of Cassationの意味をとって日本語で「破棄院」と呼ぶこともあるが、UAE法務省がSupreme Courtの名称を使う傾向にあるため、ここでは「最高裁判所」という呼び名で統一する。

申請手続

最高裁への上訴は支払い裁定額がAED200,000以上である控訴審判決に関し、その判決が当事者に送達された日から60日以内に上訴申立を提出する手続により開始される。日本の場合、上告期間は14日間。

上訴申立書には、被告名、住所、控訴審判決日、申立日及び上告理由を記載し、法廷弁護士委任状と上訴費用(AED500と上訴受理時に返還可の保証金AED1000)を添えて最高裁登録官の受領署名をもらい最高裁のCentral Services窓口へ提出する。

最高裁への上告手続ができるのは、法務省からライセンス承認を受けたAdvocates(UAE法廷弁護士)のみ。

ドバイ最高裁判所が上訴受理の申立てがされた事件を受理するかどうかはその裁量に委ねられており、(日本同様)受理されないことも多い。最高裁が上訴を認めない場合、控訴審判決が確定された旨当事者へ通達が行われる。

審理ステップ

当事者双方へ上訴申立書の送達が行われ、両者へ反論の機会が与えられる。5人の裁判官による大法廷はケースに応じて数回の審理を経て、その終結により判決の言い渡しが行われる。口頭審理は稀で、ほとんどの場合は双方の文書による主張展開となる。

上訴に正当な理由があり、控訴裁判所判決(法解釈)に誤りがあると最高裁が判断した場合、ドバイ最高裁法廷は事件をドバイ控訴裁判所(もしくは控訴審の別の管轄部審理)へ差し戻しをする。

差し戻しを受けた控訴裁判所は事件を再審理し、最高裁の示す指針に従い審理し、判決の言い渡しを行う。

控訴審判決の執行差止め申請

法解釈の審理とは別に、ドバイ最高裁が控訴審判決の執行差止めをできる事件は、以下の3つのカテゴリー事案に限定される。

1.離婚
2.婚姻契約の撤回
3.不動産所有権に関する紛争

最高裁判決の見直し請求

日本と同じように、最高裁の判決は最終であり、これをさらに上訴することは」できない。しかし、非常に稀ではあるが、次の場合には最高裁判決の見直しを求めることができる。

・最高裁判決に違法性がある場合。
・判断根拠に偽造、虚偽などの違法性があった場合。
・その他相手方に最高裁判決に影響を及ぼすような不正行為があった場合。

最高裁判決への見直し申立期限は判決から1年以内。判決見直し作業は(当事者参加はなしで)内部審議のみで結論が出される。(2010.10.1)

プロフィール
 金城昭一  
 金城マネジメントコンサルタンツ代表 www.kaneshirolawyers.com 
 資格:豪州弁護士 学歴:経営修士 (MBA)、会計修士 (MAcc)、法学士 (LLB)、 
 社会学士 (BA)  
 専門分野:訴訟・国際商事仲裁、会社法、不動産関連法、商法、労働法、税法。
 主な著書:『21世紀の豪州不動産投資』(1997)、『豪州の不動産共同投資』
  (1999)、『オーストラリアのプロパテイ・トラスト』(2003-共著、住信基礎研
  究所)、『UAEの労働法』(2009)、『UAEの訴訟仲裁制度』(2009)。
 趣味:家族と過ごす時間、旅、サッカー、野球、映画鑑賞。
 1956年日本生まれ。
 
UAEの法律 - UAE LAWS 
  http://blog.goo.ne.jp/inochiyoshieinochi

スポンサーサイト

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。