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The Japanese Dubai-JDニュース

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UAEの死刑制度

今回は死刑制度の話。

国際的には死刑制度が廃止される方向にある。長期間死刑執行を猶予している国などを含め、事実上死刑を廃止している国は135カ国。死刑制度を維持する国は日本、アメリカ、中国、中東・北アフリカ地域など69カ国。

2005年のデータによると、世界全体で2148人に死刑が執行され、このうち最も多かったのは中国で全体の8割を超える1770人、次いでイランの94人、サウジアラビアの86人となっている。イランやイラクは死刑執行が増える傾向にある。

中東では、極刑概念が埋め込まれているシャリア法の影響から死刑制度の完全廃止は実現性に乏しいと言われる。ただし、レバノンやヨルダンではメデイアや市民レベルで死刑制度の是非をめぐる議論が活発化している事実もある。北アフリカのモロッコではこの14年間死刑執行が行われず、政府が死刑廃止に向け司法制度改革を検討する動きもある。

今回はUAEにおける死刑制度の実情を、わかる範囲で伝えたい。

少ない死刑執行数

UAEでは今年に入ってから少なくとも8人の犯罪者が裁判所による死刑宣告を受けている。罪状は、一人が4歳少女の強姦殺人、二人は殺人、五人が麻薬密売。

死刑執行に関する公式記録、発表は存在しないが、過去3年間では2008年のRAK首長国における死刑執行がUAEにおける実際の死刑執行の最後で、現時点ではドバイ刑務所に43人、アブダビの刑務所に70人の犯罪者が死刑執行を待つ状況であると伝えられている。執行方法は銃殺隊による処刑。

法律

UAE憲法は第108条で死刑制度を容認している。 UAE刑法における死刑判決の犯罪根拠は7つ。殺人、スパイ行為、テロ、麻薬密売、強姦、イスラムからの改宗、敵国への政府機密漏洩。

各首長国における最上級裁判所が死刑宣告を行ったのち、法務大臣は裁判判決を裁判が行われた首長国の首長及びUAE大統領に提示し、執行承認をもらう。

当然ながら、執行承認が出るまでは執行は行われず、概ねの最終判断は首長に委ねられる。

死刑執行の回避

UAEでは、死刑判決を受けた犯罪人に対して大赦、免罪を与える制度も存在する。その判断をする権利があるのは、裁判が行われた首長国の首長と被害者家族のみ。

特に被害者の家族に対しては、犯罪者側と交渉をして、犯罪者側からBlood Moneyと呼ばれる「殺人被害見舞金」を受け取ることにより、死刑執行を回避させるシステムも存在する。

UAE国民の考え方

アブダビで行われた死刑制度に関するアンケート結果を見ると、UAE国民と在住外国人の死刑に対する考え方の違いが鮮明に表れている。アンケートに回答したUAE国民のうち34%が裁判所による死刑宣告を増やすべきと考え、同様の回答をしたUAE在住外国人の12%を大きく上回る。

情報開示に関しては、回答したUAE国民のうち36%は開示必要なしと答え、UAE在住西洋人の93%は完全開示を求めている。(2010.4.4)


プロフィール
 金城昭一  
 金城マネジメントコンサルタンツ代表 www.kaneshirolawyers.com 
 資格:豪州弁護士 学歴:経営修士 (MBA)、会計修士 (MAcc)、法学士 (LLB)、 
 社会学士 (BA)  
 専門分野:訴訟・国際商事仲裁、会社法、不動産関連法、商法、労働法、税法。
 主な著書:『21世紀の豪州不動産投資』(1997)、『豪州の不動産共同投資』
  (1999)、『オーストラリアのプロパテイ・トラスト』(2003-共著、住信基礎研
  究所)、『UAEの労働法』(2009)、『UAEの訴訟仲裁制度』(2009)。
 趣味:家族と過ごす時間、旅、サッカー、野球、映画鑑賞。
 1956年日本生まれ。
 
UAEの法律 - UAE LAWS 
  http://blog.goo.ne.jp/inochiyoshieinochi



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