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The Japanese Dubai-JDニュース

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UAEの雇用契約期間は2種類

UAEにおける雇用契約は、雇用期間が限定されている「期間限定雇用契約」(limited employment contract)か、期間が定められていない「無期限雇用契約」(unlimited employment contract)の二つに分かれる。

定義

「期間限定雇用契約」とは、雇用開始日と雇用終了日が具体的に明記されている雇用契約のこと。

労働法が定める期間限定雇用契約の最初の契約期間上限は4年間。ただし、延長は可。雇用者および被雇用者双方の合意により、最初の雇用期間と同じ長さの期間か、それ以下の期間で更新を継続していくことは可能。

「無期限雇用契約」とは、文字通り、雇用期間を定めていない雇用契約のこと。また、雇用契約が文書化されていない場合も、それは自動的に無期限雇用契約とみなされる。

最初は期間限定雇用契約として文書化されていても、その期間終了後に書面による合意なしに雇用者および被雇用者双方が雇用関係を継続維持している場合、継続した時点から無期限雇用契約とみなされる。

期間限定雇用契約の解除と賠償金

期間限定雇用契約の場合、当事者の更新合意がない場合、通知なしで、契約で定められた雇用終了日をもって雇用関係は終了する。

契約で定められた雇用終了日を待たずに(被雇用者の不法行為等、正当な解雇理由による解雇の場合を除いて)雇用者が雇用契約を一方的に解除した場合、雇用者には、被雇用者の3か月分の報酬もしくは契約の残余期間の、いずれか短い期間の報酬相当額を支払う義務が発生する。

期間限定雇用契約で、被雇用者側が期間満了前に退職をした場合には、被雇用者に賠償金を支払う義務が発生する。その場合、雇用者へ支払う賠償金の計算は、雇用契約書で別の取り決めがない限り、直近の報酬をもとに、被雇用者の3か月分または契約の残余期間のいずれか短い期間における報酬の半分を限度とする。

無期限雇用契約の解除と通知義務

無期限雇用契約の場合、当事者間で通知期間に関して別合意がない限り、契約解除の30日前に他方当事者に対し書面で通知をすることを要する。その解除通知が行われた後の予告期間中も雇用契約は有効に存続し、予告期間の満了(30日間)をもって雇用契約は終了する。

雇用者側が契約を終了した場合、被雇用者は通知時点の報酬をもとに計算した予告期間の満了まで給与を全額受け取る権利を有する。雇用者が希望する場合、被雇用者は解除通知から雇用契約終了まで、従来の職務を務めなければいけない。

なお、30日以上の予告期間は当事者の合意により認められるが、無期限雇用契約における予告期間をなくすことや通知期間の30日以下への短縮は労働法で認められていない。

無期限雇用契約では、契約解除の予告通知が必ず必要である。

無期限雇用契約で雇用者または被雇用者が解除予告期間を十分におかず、または解除通知を行わずに契約解除を強制した場合、通知義務を履行しなかった当事者は、相手方に対し、通知期間不履行期間分の賠償金を支払わなければいけない。

この賠償金は一般的に、payment in lieu of noticeと表現されるが、賠償金の計算は、通知を行わなかった場合は所定の予告期間日数に相当する被雇用者の報酬額、予告期間が足りなかった場合には、不足分の日数に相当する被雇用者の報酬額になる。

なお、当事者に労働法が定める不法行為があった場合、相手方当事者は通知期間なしで契約を解除することができる。

退職金

期間限定雇用契約を被雇用者が期間満了前に自らの意思で解除して退職する場合、退職金を受け取る権利を失う。ただし、その被雇用者の勤続年数が5年を超える場合に限り、勤続1年につき30日分の報酬相当の退職金(2年分の報酬を上限)を受け取る権利は残る。

無期限雇用契約の被雇用者が勤続期間1年以上3年未満の間に自らの意思で退職する場合、退職金の額は、法定退職金額の3分の1に減らされてしまう。通常は、勤続1年につき21日分の報酬相当額。

同様に、無期雇用契約の被雇用者が勤続期間3年を超え5年未満の間に自らの意思で退職する場合、退職金の額は、法定退職金額の3分の2に減らされてしまう。法定退職金額は、勤続1年につき21日分の報酬相当額。

勤続期間5年以上の無期雇用契約の被雇用者が自らの意思で退職する場合には、退職金の減額措置はなし。つまり、退職時の2年分の報酬額を上限として、一年につき30日分の報酬相当額を受け取る権利を有する。(2010.3.28)


プロフィール
 金城昭一  
 金城マネジメントコンサルタンツ代表 www.kaneshirolawyers.com 
 資格:豪州弁護士 学歴:経営修士 (MBA)、会計修士 (MAcc)、法学士 (LLB)、 
 社会学士 (BA)  
 専門分野:訴訟・国際商事仲裁、会社法、不動産関連法、商法、労働法、税法。
 主な著書:『21世紀の豪州不動産投資』(1997)、『豪州の不動産共同投資』
  (1999)、『オーストラリアのプロパテイ・トラスト』(2003-共著、住信基礎研
  究所)、『UAEの労働法』(2009)、『UAEの訴訟仲裁制度』(2009)。
 趣味:家族と過ごす時間、旅、サッカー、野球、映画鑑賞。
 1956年日本生まれ。
 
UAEの法律 - UAE LAWS 
  http://blog.goo.ne.jp/inochiyoshieinochi


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