The Japanese Dubai-JDニュース

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UAE弁護士の実務

ドバイではどのような法律業務をしているのか、という質問をよく受ける。

「コーポレート分野にて企業法務全般」と返事をしても、当然ながら、あまりピンとこない。

何をするために何の書類を作っているのか、具体的に見えないとピンとこないであろう。今回から数回に分けて、支障がないと判断する情報範囲で、作業例の一部を紹介する。状況はケースにより異なる。イメージとして参考になれば幸いである。

一例:投資機関からの依頼

依頼企業はGCC国籍の投資法人(A社)。クエート国籍法人(B社)株を100%所有している。要請内容は、「B社法人株をA社が持つ複数の投資家顧客へ節税対策も講じながら売却したい」。

ちなみに、GCCにおけるコーポレート関連の依頼人達は英語によるコミュニケーションに問題はない。

コンサルテーションを経て、以下の手続を完了すべく仕事開始。

A社は特定目的法人(SPV=Special Purpose Vehicle)をUAEオフショア(フリーゾーン内)に設立し、Bの法人株をすべて一度SPVへ移し、移行したあとのSPV株(発行支払済株)全てを今度はA社自らが持つ複数の投資家達へ売却。 UAEフリーゾーン利用理由は、British Virgin IslandsやCayman Islandsの代替場所として、(海外投資家への浸透度は未だ低いが)地理的近隣性だけでなく、各種法人書類発行、第三者への株式譲渡登記等実務の早さ、そして比較的短期間(書類が揃えば数日)でSPVを設立できる点などが挙げられる。

法的管轄地の考察アドバイス

B社はクエート法人であるから、株式譲渡規制はクエートの法律が根拠を持つ。同国の規制では、例えばJAFZA法人はその株主が100%GCC国籍であれば、クエートでの商業活動が可能。SPVは当初A社が100%所有するため、A社自体が100%GCC国籍(もしくはUAE国籍)であることが絶対条件。UAEおよびJAFZA規制では、SPVによるB社株保有は可能。JAFZA法人税はゼロ。

書類の作成

主なものだけを並べてみる。

1.新法人定款を含むSPV設立申請関連書類の作成。 A社の定款内容及び会社設立証書確
  認。A社取締役によるフリーゾーンでのSPV設立承認議事録作成、署名作業、法人名申
  請及び株式資本や新規取締役個人詳細を含むSPVの定款内容打合せ及び作成。申請関連
  書類代理署名を承認する委任状作成等。フリーゾーン当局との各種折衝。

2.B社株をSPVへ譲渡。 A社、B社、SPVを当事者とする株式譲渡契約書の立案作成。A社がク
  エート株式取引所から取得すべき株式譲渡承認等の書類作成補助。当局へA社とSPVがフ
  リーゾーン当局へ提出する各書類(定款、法人設立証書、ライセンス証書、取締役会議事
  録、委任状等)、B社の株式証書原本等の準備。

3.SPV株を第三者投資家へ売却。目論見書の作成。説明会準備。株式譲渡申請書類の作成。
  新投資家とA社間の株主合意契約書の立案作成。株式売買のフリーゾーン当局登記関連
  実務、投資家出口戦略の考慮等。各種フォローアップ実務。

まとめて書くと短いが、数カ月は忙しくさせてくれる。(2010.7.10)



 プロフィール
 金城昭一  
 金城マネジメントコンサルタンツ代表 www.kaneshirolawyers.com 
 資格:豪州弁護士 学歴:経営修士 (MBA)、会計修士 (MAcc)、法学士 (LLB)、 
 社会学士 (BA)  
 専門分野:訴訟・国際商事仲裁、会社法、不動産関連法、商法、労働法、税法。
 主な著書:『21世紀の豪州不動産投資』(1997)、『豪州の不動産共同投資』
  (1999)、『オーストラリアのプロパテイ・トラスト』(2003-共著、住信基礎研
  究所)、『UAEの労働法』(2009)、『UAEの訴訟仲裁制度』(2009)。
 趣味:家族と過ごす時間、旅、サッカー、野球、映画鑑賞。
 1956年日本生まれ。
 
UAEの法律 - UAE LAWS 
  http://blog.goo.ne.jp/inochiyoshieinochi


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